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Pro Tools | S6 導入事例 #20
松竹映像センター
 
日本を代表する映画/演劇の制作・興行・配給会社である松竹のコンテンツ制作の拠点「松竹映像センター」では、MAルームの「Audio Suite」を全面リニューアル。Pro Tools | S6システムと2台のPro Tools | MTRXが導入されています。選定の決め手は「再現性の高さ」とおっしゃるポストプロダクション部 ダビング/MA グループ長の吉田優貴氏にお話を伺いました。
 
Pro Tools | S6 導入事例 #20
松竹映像センター
日本を代表する映画/演劇の制作・興行・配給会社である松竹のコンテンツ制作の拠点「松竹映像センター」では、MAルームの「Audio Suite」を全面リニューアル。Pro Tools | S6システムと2台のPro Tools | MTRXが導入されています。選定の決め手は「再現性の高さ」とおっしゃるポストプロダクション部 ダビング/MA グループ長の吉田優貴氏にお話を伺いました。
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日本を代表する映画/演劇の制作・興行・配給会社である松竹。同社は2014年、それまで3カ所に分かれていた制作スタジオを1カ所に集約し、すべてのコンテンツ制作の拠点となる大型施設、『松竹映像センター』を開設しました。東京・台場にある『松竹映像センター』は、大船サウンドスタジオから移設された大規模なダビング・ステージ、MAルームである“Audio Suite”、ADR兼用のサウンド・スタジオ、リニア/ノンリニアに対応した編集室、Avid編集ルーム、オフライン編集室などを擁し、共有ストレージとしてISIS 5500、アセット・マネジメント・システムとしてInterplay MAMも導入。あらゆるポストプロダクション作業をワン・ストップで完遂できる先進的な施設となっています。


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松竹映像センターのMAルーム”Audio Suite”


そんな『松竹映像センター』では先頃、MAルームの“Audio Suite”を全面リニューアル。長らく使用してきたICON D-ControlシステムをPro Tools | S6システムにリプレースし、同時にPro Tools | MTRXも2台導入しました。『松竹映像センター』ポストプロダクション部 ダビング/MA グループ長の吉田優貴氏は、Pro Tools | S6システムを選定した理由について、再現性の高さが決め手になったと語ります。

「この部屋はドラマや映画、CM、シネアド、パッケージの特典映像など、様々なコンテンツのミックス/MAで使用されるので、非常に稼働率が高いんです。急な直しが入ることも多いですから、ダブル・クリック1つで以前のセッションが完全に再現されることが重要で、ICON D-ControlシステムからPro Tools | S6システムへの移行は自然な流れでした」(吉田氏)


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松竹映像センターのPro Tools | S6システム。48フェーダー/5ノブという構成


『松竹映像センター』のPro Tools | S6システムは、48フェーダー/5ノブ仕様のM40で、サラウンド・パンナーは外付けで用意。Pro Toolsは、HDXシステムが2台、HD Nativeシステムが2台の計4台をPro Tools | Satellite Linkで同期した大規模な構成で、2台のHD Nativeシステムは主にダバー用Pro Toolsとして使用されています。

「前のICON D-Controlシステムは、両サイドにマスター・セクションがあるデュアル・ヘッド仕様で、同じような構成にするべきか検討したのですが、Pro Tools | S6システムは最大で11台のPro Toolsを接続することができ、フェーダーを1本単位で割り振ることができるので、マスター・セクションは1台で十分だろうと判断しました。Pro Toolsを計4台併用しているのは、処理を分散してコンピューターへの負担を抑えたいからで、2台のHD Nativeシステムはダビング・ステージと同じように出し専用マシンとして使用しています」(吉田氏)


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Pro Tools | S6システムと同時に、2台のPro Tools | MTRXも導入された


そしてPro Tools | S6システムの導入に合わせて、新しいオーディオ・インターフェースとしてPro Tools | MTRXも2台導入。Pro Tools | MTRXは、8ch AD/8ch DA/16ch AES/64ch MADIという構成で、1台はHDXシステム2台で共有し、もう1台はHD Native用インターフェースとして使用されています。

「Pro Tools | MTRXは機能面もそうですが、音質が最高の一言です。以前、何種類かコンバーターを比較した際にDADのものが一番良かったので、ずっと気になっていたんです。実際にこのスタジオで使用して感じるのは、解像度とF特が従来の製品とはまったく違うということ。軸がずれずに、上から下まできれいに出てくれるんです。これまでのオーディオ・インターフェースも悪くなかったんですが、Pro Tools | MTRXは少し次元が違う感じがしますね。ADAM Audio製スピーカーのリボン・ツイーターとの相性も良く、間違いなく音質が向上したと思います」(吉田氏)

リニューアル工事後すぐにフル活用されているという『松竹映像センター』のPro Tools | S6システム。吉田氏は以前のICON D-Controlシステムと比べて、視認性が良くなり、かなり使いやすくなったと語ります。

「何より4台のPro Toolsをシームレスに扱うことができるのがいいですね。これまでは椅子で横に頻繁に移動していたのですが、KVMでディスプレイやキーボードも簡単に切り替えられるようになり、とても落ち着いて作業ができるようになりました。Pro Tools | S6システムには、ICON D-Controlシステムには無かった新しい機能がたくさん備わっているのですが、その中ではスピル機能がかなり便利ですね。セリフとか効果音をフェーダーにずらっと並べる必要がなく、効果音の一部だけを少し上げたいと思ったら、その都度展開すればいい。これは本当に便利です。それとディスプレイ・モジュールも気に入っています。Pro Toolsの画面を見なくても、オートメーション・カーブをしっかり確認することができる。既に書いたカーブ、トリムしたカーブ、それらを合算したカーブを、一度に確認することができるんです。これによって直しが非常にやりやすくなりましたし、正面を見てきっかけが分かるようになったのでミスが少なくなりました。情報量がとても多いので、Pro Toolsの画面を見なくてもミックスできてしまうくらいです」(吉田氏)


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松竹映像センター ポストプロダクション部 ダビング/MA グループ長の吉田優貴氏(写真左)と
ROCK ON PROの前田洋介氏