ダイナミックな礼拝と地域社会への貢献で知られるダラスの教会であるUPPERROOMは、最近、大幅な改修を行い、そのスペースはライブレコーディング会場へと変貌をとげました。その改修には、2001年、設計・施工の専門会社として設立された礼拝技術空間のトップ・システム・インテグレーターであるEpic Resource Groupが選ばれました。Epicの主任オーディオ・デザイナーであるマット・ウィーラー氏とトーリー・コール氏が率いるこのプロジェクトは、屋根と壁2面だけを残す、大規模な改修となりました。当初は、美観に重点をおいたデザインでしたが、レコーディングおよび放送機能を優先する方向へと進化し、UPPERROOMのオンラインでの強烈な存在感とアルバムレコーディングを反映するものになりました。シニア・オーディオ・デザイナーのマットが、「基本的には、ライブ録音空間になりました」 と述べたように、プロジェクトの重点がシフトしたことを強調しています。
建築家は、ユニークな楕円形の部屋(空間)を提案しましたが、それにはオーディオ品質に幾つかの課題がありました。マットとトーリーは、ステージ・ノイズを最小限に抑えながら、タイトな低音サウンドを実現するよう、音響の問題に取り組みました。マットは、「ステージ上のノイズ・レベルを下げる方法を探して様々な試みをしました」 と説明します。最終的には、オーダーメイドのステージと、「Halo」 として知られる複数のスピーカーが観客の前後両方向から演出する音響的に透過性のある照明機能を備えた楕円形の空間が作られました。
Avid VENUE | S6L
Avid VENUE | S6Lコンソールは、UPPERROOMの音響設備において極めて重要な選択肢で、ワークフローと音響能力を強化しました。Pro Toolsとd&b Soundscapeのイマーシブ・システムとの統合を重視するEpicのチームには、使い勝手の良さとワールドクラスの音質により、それは 「当然の選択」になりました。マットは、「音響的に世界トップクラスです。このクラスのものは、すべて本当に、本当に素晴らしいサウンドになる」 と話します。
UPPERROOMは、ボランティア中心の環境です。しかし、FOHは主にフルタイムとパートタイムのオーディオ・チームが操作しています。とは言え、必要に応じてボランティアが作業しやすいように、フロントにはプリセット機能が備わっています。S6Lの自動化機能は、ライブ・パフォーマンス中の素早い調整を可能にする画期的なものとして際立っていました。「変更が必要になると、すぐに変更できます。他のプラットフォームでは、一旦止めて、自動化の更新を待たなくてはなりません」 とマットは説明します。
加えて、Pro ToolsとS6L間のシームレスな統合は、この選択の重要な要素でした。先に述べたように、「Pro ToolsとS6Lの関係は、とてもシームレス」 であり、教会のダイナミックなニーズに対応する効率的なワークフローを提供します。Avidはバーチャル・サウンドチェックやゲイン・トラッキングなどの高度な機能を実現するこの統合により、礼拝技術空間において競合他社と一線を画しています。マットは、「どんな局面にぶつかっても、なんとかなる」 とまとめました。
直面した課題
特に2階建ての空間という複雑な設計のため、新施設でのVENUE | S6Lの設置には、多くの課題がありました。ユニークな傾斜構造と18フィートの天井高により、チームは数々の障害に直面しました。「天井高の低さと、インチ単位の正確さですべてを収めるための調整」 が、プロジェクトに大きな複雑さをもたらしたと、トーリーは加えました。
114台のラウドスピーカーと98アンプ・チャンネルの統合することは、特にコンポーネントが互いに干渉しあうようなぎりぎりの狭い空間だったため、さらなる課題をもたらしました。チームは、音響、照明、HVAC(空調)、その他の天井の障害物に関する問題に対処しなければならず、それには、すべての構成要素がどのようにフィットするかを十分に理解する必要がありました。「設計の段階で、何度も何度も修正があり、施工の過程でも小さな修正がたくさんあった」 プロジェクト全体で、設計チームと施工チームが直結していたのは、とても大きな利点でした。
チームのトレーニング
ブランドン・マイヤー氏は、UPPERROOM(FOH、放送、スタジオ、外部イベント、ツアー等)のグローバル・オーディオ・ディレクターです。主任FOHエンジニアでもあります。ブランドンは、VENUEコンソールの過去の経験を活かし、UPPERROOMのチームのS6Lシステムでのトレーニングで重要な役割を担いました。
トレーニングは、コンソール本体だけでなく、Soundscapeシステムとの統合や、イマーシブなオブジェクトベースのミキシングへの移行にも重点が置かれました。チームは、この新しいアプローチに適応する中で、当初大きなハードルとなっていた、従来の固定観念を捨てる必要がありました。「トレーニングの多くは、彼らが行うタイプのミキシングに慣れることでした」 とトレーナーの一人は話します。ドラムトラックをステレオグループとしてではなく、単一のオブジェクトとして認識することの重要性を強調しました。最終的には、以前からチームがVENUEプラットフォームに慣れていたことで、移行はスムーズになり、イマーシブなミキシング技術のニュアンスに集中することができました。S6Lのルーティングや出力機能の柔軟性により、チームは新しい環境の複雑な要求に効果的に対応し、準備を十分に整えて、高品質なサウンド体験を提供することができました。
Avid VENUE | S6Lについて
あらゆる規模のライブ・プロダクションを簡単にミックスしてレコーディング。Avid VENUE | S6Lは、アーティストやエンジニアが最高のショーを実現するために頼りにする比類ない処理能力とサウンドの明瞭さを実現します。
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