ロバート・スコヴィル氏が、新しいAvid VENUE | S6Lエンジンで『ケニー・チェズニー・ライブ』をミックス

ロバート・スコヴィル氏による、ケニー・チェズニーのFOH
フロント・オブ・ハウス(FOH)エンジニアのロバート・スコヴィル氏は、40年以上にわたり、デフ・レパードやラッシュ、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズなど、音楽界を代表する数多くのアーティストのサウンドを手がけてきました。現在、その卓越した精度と芸術性をケニー・チェズニーのショーに注ぎ込み、直近ではラスベガスの革新的な劇場『Sphere(スフィア)』でも活躍しています。ライブとスタジオ両方の経験で裏付けられた深い専門知識と、長年にわたるAvid VENUEプラットフォームとの繋がり持つロバートは、ライブ・エンターテインメント業界で最も野心的な制作での課題にも、独自のやり方で対応することができます。
ロバートにとって、ライブサウンドのエネルギーは常に魅力でした。
「スタジオで仕事をしていた時代から、アンサンブルで演奏できるバンドに惹かれていました。また、パフォーマンスそのものと、音を一体的に捉えることにこだわってきました」と彼は話します。
その考え方と、その場その場の判断をくだすことへの情熱が相まって、彼のキャリアはライブサウンドに集中していきました。
「子供の頃、レコードの音の良さではなく、ライブ演奏の良し悪しでバンドを評価していました。ライブサウンドは、ずっと私のDNAに組み込まれています」
彼のキャリアは、早くに始まりました。14歳の時、スーパートランプの『Crime of the Century Tour』を観た後、ロバートは、彼らのFOHエンジニアを務めるラッセル・ポープ氏と偶然出会いました。
「彼は私の瞳の中に何かを感じとって、ステージに招いてくれました。それが、決定的な瞬間でした。それ以来、私には何も見えなくなり、ただただ、彼と同じ仕事をしたいと考えました」とロバートは振り返ります。
それから数十年がたった今、彼はAvid VENUE | S6Lを使って、まさにその仕事を、世界で最も象徴的なステージの一つで実現しています。
ケニー・チェズニーとのCMA賞受賞ツアー
最近、ロバートのワークフローは、チェズニーのスタジアム公演の規模とリズムに合わせて調整されています。
「通常は金曜日に搬入して、バーチャル・サウンドチェックとPAの最適化で長い一日を過ごし、土曜日にスタジアム公演を行います。また、その前、通常木曜日には、スタジアムから近い場所で、小屋形式の公演も行います。その規模の仕事は、楽しく、大好きです。今のPA技術があれば、驚くような体験を生み出すことができます」と説明します。

ツアー日程は、キャリア初期の頃に比べると週2公演とやや落ち着いていますが、公演の規模と音響への意欲の大きさに変わりはありません。
「週に4本、5本の公演をこなす日々は終わりました。私の人生にとって、素晴らしいことです。ツアーは好きだし、バス移動もまったく苦になりません」と話します。
ロバートは、2017年にトム・ペティが亡くなった後、再びツアーに戻るとは当初は思っていませんでした。しかし、ケニー・チェズニーのプロダクション・マネージャーからの1本の電話で、それは一変しました。
「彼らはコロナ禍で丸一年間、ツアーを延期していました。プロダクション・マネージャーのエド・ワネボ氏から、“FOHを誰にするかと話すたびに、君の名前が挙がるんだ”と言われました。それで、ラスベガスに行って、彼らに会いました」と振り返ります。
それまで、チェズニーのツアーのミキシングを担当したクリス・ラボルドと軽く打ち合わせした後、ロバートは、吹っ切れました。
「“迷う必要なんてない。ただ受ければいい。絶対に後悔しないから” とクリスに言われたのです。彼の言う通りでした。素晴らしい仕事です。最高の音楽、最高の雰囲気、最高の人々です」
テクノロジー、S6L、新しいエンジン
ラスベガスのSphereのような会場で、完全に没入的なオブジェクトベースのライブ公演のミキシングをすることは、他のどのライブサウンド体験とも異なり、圧倒的な規模、複雑さ、高度なコントロールに対応できるコンソールが必要です。ロバートにとって、Avid VENUE | S6LとVENUE | E6LX-256エンジンの組み合わせが、それに対応できる唯一のシステムでした。
「この会場とPAシステムには、コンソールから非常に多くの出力が必要です。64のサブグループを64のマトリクスにルーティングして、48のPA出力先に送りました。また、パンナーからのセンドとリターンも32系統ありました。これだけでも、旧式のエンジンでは対応しきれません。しかし、E6LX-256の拡張されたバス数によって可能になりました」と説明します。
彼の没入型ミキシング・ワークフローには、正確なルーティングと緻密なコントロールが必要でした。
「オブジェクトベースのオーディオはすべて、サブグループ構造になっていました。リバーブとルームリターンは、ステレオ・チャンネルの制限により、グループにルーティングできませんでした。そこで、個別に分割して、割り当てることができるマトリクスに直接ルーティングしました。Meyer SpaceMap Goを使って、会場全体のオーディオの動きを作り出し、入力メーターのレベルに基づいてS6Lのイベント・システムを介し、軌道をトリガーしました。入力が閾値に達すると、自動的に軌道が開始されました。このようなキューは、一度のショーで20ほどありました。一度プラグラムすれば、自動的に実行されるので、公演のミキシングに完全集中することができました」
S6Lのパワフルなスナップショット機能とレイアウト構造は、公演管理に不可欠な存在でした。
「今では、全公演でVENUE | S6L-48Dコントロール・サーフェスを装備しています。これにより、入力と出力、特にコンソールの最上層にある複数のPAアレイを思い通りに配置することができます。さらに、スナップショット可能なレイアウトに加えて、Sphereのような複雑な会場でも、直観的かつ高速なワークフローを柔軟に構築することができます」とロバートは言います。

制作における陰の立役者の一つが、バーチャル・サウンドチェック機能です。
「これ無しでは、このような公演をやることは、想像すらできません。オブジェクトの動きをプログラムしながら、バンドに同じ曲を何度も演奏してもらうといった必要はありません。バーチャル・サウンドチェックにより、観客が会場に入る前に、すべてのキュー、すべての動きを微調整できます。没入型制作に携わる人が、バーチャル・サウンドチェックを使っていないとしたら、それはチャンスを逃しています」と言います。
ロバートは、S6Lの極めてクリアな音質、人間工学に基づくデザイン、チャンネル単位の機能が大きな差別化要素であると指摘します。
「チャンネルごと、オブジェクトごとに使えるパラレル・コンプレッションは、とても大きな強みです。すべての公演をVENUE Linkを使って、アーカイブ用にマーカーを付けて、Pro Toolsに録音しました。このやり方で、ケニーの公演を数百回収録していると思います。USB経由で2トラックのミックスを作成して、楽曲ごとに自動的にラベル付けとセグメント分けされたものをアップロードして、バンドに毎晩レビューしてもらえます。すべてが本当にシームレスに行えるのです」
ロバートが初めてS6Lを選んだ時から、その情熱は今も衰えていません。
「本当にたくさんの細かな機能が積み重なっています。イベント・システム、メーター表示、サーフェス・デザイン、文句なく使えます。限界まで攻めるような状況でも、とにかく“ちゃんと機能する”。そこが素晴らしいですね」

詳細は、Avid VENUE | S6Lの製品ページをご覧ください(英文)
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