もっと多くのマイク・プリが必要で、現在使用中のオーディオ・インターフェースに、空いているADATまたはライン入力ポートがある方は、ぜひこの記事をご参照ください。ADAT拡張とは何か、どのように機能するのか、Pro Tools | Carbon Pre のような8チャンネル・マイク・プリ拡張ユニットが、使用可能なマイク・プリをどのようにシームレスに拡張するのかをご紹介します。

ADAT拡張とは、ADAT (Alesis Digital Audio Tape) プロトコルを使用して、オーディオ・インターフェースやその他のオーディオ機器の利用可能なオーディオ入出力チャンネルを増設するプロセスを指します。通常、マイク・プリ、コンバーター、拡張ユニットなど、外部のADAT対応デバイスをプライマリのオーディオ・インターフェースに接続して実行します。ADAT拡張のメリットは、柔軟性や拡張性の向上により、大規模なプロジェクトのレコーディングやミキシングに対応できることなどです。

ADAT対応デバイスを活用して、セットアップに入出力を簡単に追加することができます。ADAT拡張の詳しい仕組みは次の通りです。

1. デジタル・オーディオ伝送
   ADATは、光ケーブル（通常はTOSLINK）を使用して、1本の光ケーブルで最大8チャンネルのデジタル・オーディオを伝送します。

2. 接続デバイス

   オーディオ・インターフェースを拡張するには、ADAT対応の拡張ユニットをプライマリのオーディオ・インターフェースのADAT入出力に接続します。このセットアップにより、新しいオーディオ・インターフェースを必要とせずに、既存のシステムにプリアンプ、入力または出力を追加することができます。

3. 同期

   適切なタイミングとデータの整合性を確保するために、関係するデバイスを同期する必要があります。これは通常、Wordクロック接続を介して行われるか、ADAT信号自体を使用してクロッキングします。

Pro Tools | Carbon Pre は、Pro Tools | MTRX Studio、HD IO、その他の接続可能なオーディオ・インターフェースとシームレスに統合できる汎用性の高いハイファイ・マイク・プリです。ADATまたはアナログ接続を介して、自然な音質のマイク・プリを追加提供して、オーディオ・インターフェースのレコーディング機能を拡張するよう設計されています。Carbon Preは、各入出力上の複数のAD/DAコンバーターを搭載し、最高水準の忠実性を実現し、余すところなくディテールを捉え、広いダイナミックレンジを提供して、卓越したオーディオ品質を保持します。ここでは、MTRX Studioを例に、既存のセットアップにCarbon Preを設定する方法をご紹介します。

DADmanで、入力されるADATまたはアナログ信号をPro Toolsに繋がるDigiLinkまたはThunderboltチャンネルにルーティングします。

Pro Toolsの [設定] > [ペリフェラル] > [マイク プリアンプ] のドロップダウンメニューからCarbon Preを選んで、プリアンプのコントロールを有効にします。最後に、[設定] > [I/O] > [マイク プリアンプ] から、Carbon Preをルーティングするチャンネルを選択します。

これらの入力の1つに割り当てたトラックを作成すると、Pro ToolsやあらゆるEUCON互換コントロール・サーフェス（無償のAvid Controlアプリを含む）からすべてのプリアンプ・コントロールに直接アクセスできます。

この設定プロセスは、ADATまたはライン入力可能なインターフェースであれば、基本的に同じです。堅固なイマーシブ・オーディオのセットアップなど、いくつかの明確な利点から、Pro Tools | Carbon PreとMTRX Studioの組み合わせは特にお薦めです。