Avid RADラボ、最新技術の活用を模索
2023.06.30
本記事は、人工知能(AI)と新技術に関するAvid独占シリーズの2回目です。AvidのRAD(R&D)ラボと、Avidがどのように新技術のパワーを活用して導入し、お客様をサポートしているのかを探ります。このホットな話題に関する詳細は、AvidサイトのAIと最新技術のリソースページをご覧ください。
Avidは、お客様に可能な限り最新かつ効率的なソリューションを提供すべく、常に全力で最新技術に取り組んできました。人工知能(AI)のような新しい技術を最大限に活用する方法を理解するため、Avidでは、イノベーションを加速度的に推進する目的で社内に研究ラボを設立しました。
Avid RADラボが行っている画期的な業務、そして、それがどのようにお客様やメディア業界をサポートしているのかを明らかにするために、Avidメディア技術のエキスパート、アーキテクチャ&テクノロジー担当バイスプレジデントのシャイレンドラ・マーサーと、AI好きであるエンジニアリング・フェローのロブ・ゴンザルベスの2人に話を聞きました。
Q. RADラボについてと、それがメディア制作におけるAIの活用をどのように模索しているのかについて教えてください。
A. Avid RADラボは、メディア制作においてAIを含む新技術の活用を模索するため、2021年に設定されました。ラボでは、プロダクト・イノベーションのエンジンを強化する研究プロジェクトを扱います。RADチームには、Avidの技術リーダーおよびビジネスリーダー、コンピューター・サイエンスおよびマシン・ラーニングを学ぶ大学院生インターン、場合によって専門的な開発パートナーが含まれます。さまざまな国から集まるインターン生や契約社員がもたらす多様なバックグラウンドや視点は、良い意味で研究へのアプローチを方向付けます。
RADラボは、学生の学業におけるキャリアアップを支援するだけでなく、業界を支援し、業界と協力するという広範な目的を掲げています。私たちは他者とのコラボレーションを積極的に求め、この分野全体を前進させるために私たちの業務を共有します。
Q. AIおよび新技術の分野では、実に多くのことが起こっています。RADラボでは、どの研究を進めるかをどのように決めるのでしょうか?
A. RADラボは、複数段階のプロセスを踏んで、実用性、革新性、技術的実現性に基づき研究テーマを選択、優先順位付けします。技術の実現可能性が証明され、ビジネスニーズと合致する場合、RADラボはプロトタイプを開発します。もちろん、失敗もあります。私たちは、「早く失敗して、早く成功する」取組みとして臨んでいます。時には、新しいやり方を試したり、時には、仮説が現実や実用性と合致しない理由を見つけるなど、失敗も有益な学びになります。
RADラボの研究は、お客様の手に渡らなければ意味がありません。幸いなことに、ビジネス価値の高い、より実用的で実現可能なプロジェクトが、現在、幾つかの製品で製品化されつつあります。RADラボは、どのように新しい技術をお客様にとって実用的なものにするかを考えています。実験場ですね。
Q. RADラボで重要な役割を担っているインターン生や、研究を発表している人もいます。それについてお聞かせください。
A. Avidは、他のメディア業界が直面する同じ課題である、若い才能の獲得、そして彼らをメディア界に引き付けるという課題に直面しています。RADラボは、そのような人材をメディア業界に惹きつける役割を果たし、Avidは卒業後の彼らを雇用し、彼らが携わる研究の製品化を支援することができます。インターン生は、修士号や博士号取得に取り組む極めて優秀な研究者たちです。非常に幸運なことに、インターン生の新鮮な思考とエネルギー(そして彼らの教授陣の知見)は、Avidの問題領域に貢献してくれています。その代わりに、彼らはメディア&エンターテインメント市場が提示するエキサイティングなチャレンジを堪能することができます。
Avidの目標は、それらの研究を業界と共有することです。この目標はまた、インターン生が目指す学位取得のためのニーズともうまくリンクしています。2023年4月、SMPTE Motion Imaging Journalに研究論文を投稿したインターン生、ザーラ・モンタジャビとヴァヒド・ホラサン・ガッサーブの2人は、その一例です。(SMPTEの一員であれば、当該論文を読むことができます。SMPTEは、世界中のメディア&エンターテインメント業界で働く才能で構成される素晴らしい組織です。)
ザーラ率いるRADラボチームは、画像の最も重要な領域を特定するという、画像処理分野における複雑な問題の解決を目指しました。チームは、画像内のオブジェクトを検出し、その意味および関連性に基づいてオブジェクトの詳細な検索を実行する方法を開発しました。重要領域の特定は、画像や動画の視覚品質の大幅な向上につながります。チームの論文『適応型画像圧縮、カラー・エンハンスメント、自動パン&スキャンに適用されるセマンティック関心領域』は、SMPTEジャーナルに掲載されました。
ヴァヒドとチームは、人間の目が色よりも光の違いに敏感であることにヒントを得て、動画ファイルの新しい圧縮方法を開発しました。一般的に行われるように、ルーマ情報とクロミナンス情報を同等に扱うのではなく、クロミナンス情報よりも輝度情報を多く使用しました。また、動画をより大きなフォーマットにアップスケールすることを避けて、計算負荷を削減しました。この方法は、動画の画質を5~6%向上し、計算負荷を37~40%低減します。本アプローチにより、現行の動画圧縮技術を強化する可能性があります。チームの論文『クロマサブサンプリングを用いたCNNベースのオートエンコーダによる動画圧縮の最適化』もまたジャーナルに掲載されました。
vidのAIへの取組みと、新技術のメディア制作に与えると思われる影響に関する詳細は、こちらをご覧ください。
ロブ・ゴンザルベス
1989年、15番目の社員としてAvidに入社。業界屈指のノンリニア編集システムAvid Media Composerの開発に携わり、ビデオエフェクトとカラーコレクションのプログラミングを専門とする。ロブは、メディアおよびエンターテインメント業界で50以上の特許を取得しています。
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